皆さんこんにちは😊
放課後等デイサービスあ~すり~と公認心理師の上野山です😊

発達障害の人は、持っているその特性によって ”疲れ” を感じやすいと言われています。
今回のこころコラムでは、発達障害の人がなぜ疲れやすいのか、その原因と対処法についてご紹介したいと思います。

感覚の過敏さ
発達障害の人の多くが、視覚、聴覚、触覚などの、過敏、あるいは鈍感といった感覚特性を持っています
たとえば視覚の感覚過敏がある人は、窓からの光や電子機器の画面がチカチカして気になってしまい、作業に集中できないことがあります。
他にも、聴覚に過敏さがある人は話し声や外から聞こえる雑音などで集中できないこともありますし、触覚に過敏さがある人は衣類のタグが気になったり特定の素材の肌触りが気になると訴えるケースも多いです。
こうした状況を回避するために、自分の身の回りの環境調整を行い、快適な環境で過ごせるようにすることが大切です。

感覚に過敏さがある人では、さまざまな刺激を脳が一度に処理することができないために、さまざまな情報が次々に入ってきて気が散り、集中が切れがちです。
このような場合は、周囲の人にこうした自分の感覚特性を伝えた上で、必要な時に耳栓やイヤホンをしたり、遮光めがねをつけるなどの対策をして、刺激の入力を抑えることができるでしょう。自分の肌に合う素材のものを着たり、タグを切ってしまうことで刺激を減らすこともできますね。
自分に合った工夫を見つけることと、周囲の理解がポイントになります☝️

活動量の多さ
特にADHDの人に多く見られますが、エネルギッシュで活動的な人が多いので、活動量が多いために他の人よりも疲れやすいということがあります。
朝から活動的に動き過ぎてしまい、夕方にはエネルギー切れしてしまう…ということがあり、夕方からの予定がこなせなかったり、せっかく楽しみにしていた活動ができなくなってしまったりすることもあります。
また、注意のコントロールが苦手であったり、衝動性が強かったりすると、それらをコントロールするためにエネルギーを使ってしまい疲れる、ということもあります。

このような場合は、まず朝に1日のスケジュールを把握しておき、それぞれの活動にどのくらいのエネルギーを使うかをイメージしておくことが有効でしょう。
また、あらかじめ活動の合間に休憩を組み込んでおき、定期的に休息が取れるように設定しておくという対策が考えられます。
発達障害の方の中には、「適切なタイミングで適度に休憩する」ことを苦手とする方も多いので、休憩自体をあらかじめスケジュールに組み込んでおくと良いでしょう☝️

完璧主義
自閉症スペクトラム障害の人では、何事に対しても「適当に」することが苦手なため、常に本人の中で完璧を目指し過ぎて疲れてしまうというケースがみられます。
周囲の求める理想に近づけたいという場合もありますが、自分自身の決めた水準を達成したい、という一種のこだわりをもつことも多く、根を詰めすぎてしまうこともあります。
このような場合は、例えば、決まった時間まで出来た分を先生に報告するようなルールを作ったり、完璧過ぎない適度なゴールをあらかじめ決めておくことで、自分で水準を高め過ぎてしまう心配を減らすことができるでしょう。
一定の水準になった段階で、先生や保護者の方がOK👌を出す仕組みを作っておくことも効果的だと思われます。

周囲に合わせようとする
自閉症スペクトラム障害の人の場合、その場の雰囲気や相手の感じていることを察することが苦手な人も多いです。
多くの人が何気なくしていることでも、発達障害の人は、頭や心をフル回転させて対応していることが多々あります。
ですので、周囲から見て「普通に生活している」ように見えても、実はそのためにたくさんのエネルギーを使っていることがあるのです。
そして「普通」のフリをして辛くなっていたり、しんどさを感じていることもあるでしょう。

このような場合、まずは自分の特性を理解し、周囲の人にも理解してもらうことが大切になります。
可能な範囲で、特性に対して周囲の環境調整をしてもらえるように依頼することができればなお良いでしょう。
例えば、相手の意図を汲むことが苦手な特性をもつために、休み時間にお友達とお喋りすることを苦痛に感じる場合には、休み時間は図書室に行ったり、教室で自分の好きなことをして過ごしても良いことを受け止め、お友達にも理解してもらうことで、無理に誘われる機会を減らすことができるでしょう。
お友達に理解してもらう際には、担任の先生などの力も借りて、コミュニケーションの場を設けることができれば良いですね😊

いかがでしたか??
今回は、発達障害の人の疲れやすさに焦点を当てて、「感覚の過敏さ」「活動量の多さ」「完璧主義」「周囲に合わせようとする」の4つの特性ごとに、どのような理由で疲れやすくなるのか、そしてその対処法をご紹介してきました。
まずは自分自身にどのような特性があり、どんな時に疲れを感じやすいのかを知ることが大切です。
その上で、自分に合った工夫を考えること、そして周囲の人に理解してもらい適切な環境を整えるようにしていきましょう。

適切に対処すれば、疲れやすさを減らすことができますし、自分に合った生活ができて快適に過ごせるようになっていきますので、ポイントをおさえて対応していきましょう👦👧

今回のこころコラムは以上になります!
次回もお楽しみに😊✨

参考文献
藤田潔・古川修・森脇正詞 2017 「オトナの発達障害大図鑑 ASDとADHDの基礎知識から社会復帰の方法まで」 幻冬舎
発達障害の方のための就職応援企業 「発達障害の人は疲れやすい?~疲れやすさの原因と対処方法~」https://www.kaien-lab.com/faq/2-faq-diagnosis/exhaust/(参照 2022.10.6)