皆さんこんにちは😊
放課後等デイサービスあ~すり~と公認心理師の上野山です😊
新緑の季節となりました。いかがお過ごしですか??
さて、今回のこころコラムは「マインドフルネス」の理論編ということで、その内容と効果についてご紹介したいと思います🙂
マインドフルネスとは
最近よく耳にするようになったマインドフルネスですが、その語源をご存じですか?
実はもともと「サティ」という仏教用語で、それを英訳したものがマインドフルネスになります。
日本語では「念」という漢字に該当しますが、現在では「気づきを向ける」という意味で使われることが多いです。
仏教の文脈を離れ、認知行動療法の中で使われる主な技法として、広く知られるようになってきています。
マインドフルネスの定義は、
”自らの体験(自分自身をとりまく環境や自分自身の反応)に、リアルタイムで気づきを向け、受け止め、味わい、手放すこと” とされています。
ここでポイントになるのは、自らの体験について気づいたことに対して、「評価」や「否定」を一切しないということです。
その体験がポジティブなものであろうと、ネガティブなものであろうと、その体験を「あるがまま」に受け止め、受け入れます。
そして、自分の体験は一切コントロールしようともしません。
「ポジティブな体験は長引かせたい」「ネガティブな体験は終わらせたい」と思ってしまいがちですが、マインドフルネスにおいては、体験を長引かせたり、終わらせようとしたり、強めようとしたり、弱めようとしたり、ということを一切しません。
ただそのまま受け止め、受け入れます。
もちろん、「ポジティブな体験は長引かせたい」「ネガティブな体験は終わらせたい」という思いに気づいたら、その思い自体も否定せず(「コントロールしようとしちゃいけない!」などど思わず)、「ふーん、そう思っちゃったんだねー」と、そのまま受け止めるということです。
つまり、自分のすべての体験に対して、一切のコントロールを手放し、興味と関心をもって、「ふーん、そうなんだ」と受け止め、味わい、どんな体験もそのうち消えていくので、消えるにまかせてさよならをする、というのがマインドフルネスです。
マインドフルネスの効果
マインドフルネスには、メンタルケアの効果があると言われています。
マインドフルネスを行う前後で、脳の活動がどんなふうに変化したかを調べた研究によると、不安を生み出す扁桃体(へんとうたい)と呼ばれる部位の過剰な活動が、マインドフルネスを行った後ではおさまっていた、ということが分かっています。
つまり、マインドフルネスは脳の機能を改善する、ということが明らかになっているのです。
また、マインドフルネスを続けることによって、物事を考え続けてしまう”Doing mode”(ドゥーイング・モード)から、今ここに目をむける”Being mode”(ビーイング・モード)へとモードが切り替わると言われています。
そのことにより、自分のあらゆる感覚に気づく力がついていき、悩んだり、ひとつの考えにとらわれることが減っていきます。
いかがでしたか?
今回はマインドフルネスの理論編ということで、その内容と効果についてご紹介しました🙂
マインドフルネスによって、自分のあらゆるものに気づく力がついていくと、思考や感情に振り回されなくなり、適切な判断、行動ができるようになっていきます。
マインドフルネスを日常の中にどう取り入れるのか?については、次回の実践編でご紹介できたらと思います✨
では次回もお楽しみに😊
参考文献
有光興記 2017 「図解 マインドフルネス瞑想がよくわかる本」 講談社
伊藤絵美 2016 「ケアする人も楽しくなる マインドフルネス&スキーマ療法 BOOK1」 医学書院
NHK健康チャンネル 「不安をやわらげる効果に期待!マインドフルネスとは」 https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1277.html (参照 2022.5.19)