皆さんこんにちは😊
放課後等デイサービスあ~すり~と公認心理師の上野山です😊

今回のこころコラムでは、発達障害へのアプローチとしても最近注目されている”認知行動療法”をピックアップしたいと思います。

認知行動療法は、ものの考え方や受け取り方(認知)に注目し、「柔軟に考えることのできる心の力」を鍛えていく精神療法です。
今回は、認知行動療法の代表的なアプローチとして、7コラム法(認知再構成法)をご紹介したいと思います🙂

7コラム法とは、下記の7つのステップで、自分の思考を整理していく方法です。

状況:気持ちが動揺したときの一場面
気分:そのときの気持ち(0~100%で表す)
自動思考:そのときに浮かんできた考え
根拠:自動思考を裏付ける具体的な事実
反証:自動思考と反対の事実
適応的思考:バランスのよい考え
今の気分:今の気分は②の気分からどのように変化したか?(0~100%で表す)

では、例をあげて実際に7コラム法をやってみましょう😊☝️

(例)
アヤカさんは友達に「おはよう」と挨拶をしましたが、友達から返事が返ってきませんでした。
アヤカさんはその友達から嫌われてるのだと感じ、ひどく落ち込んでしまいました。
それをきっかけに、その友達に話しかけることができなくなりました。

上記のような状況があったとします。
これを7コラム法で理解してみると、こうなります☝️

状況:アヤカさんが友達に「おはよう」と挨拶をしたが、友達から返事が返ってこなかった
気分:落ち込み80%、悲しい60%
自動思考:私は友達から嫌われているんだ
根拠:私を見てくる友達の目が怖いと感じたことがあった
反証:昨日話しかけたときには返事をしてくれた
適応的思考:今日は別の友達とお話していたから、もしかしたら聞こえなかっただけかもしれない
今の気分:落ち込み30%、悲しい20%、安心40%

7つのコラムに従って、アヤカさんの思考を整理していくと、はじめは「友達から嫌われているんだ」というひとつの考えにとらわれてしまい、落ち込みや、悲しい気持ちがたくさん浮かんでしまいました。
しかし、その「私は友達から嫌われているんだ」という自動思考を裏付ける具体的な事実を考えてみると、、嫌われている証拠となるものがあまり見つかりません。
「私を見てくる友達の目が怖いと感じたことがあった」という記憶が出てきましたが、この時点で、「嫌われている」ことを証明できる具体的な事実はあまりないんだな、ということにアヤカさんは気づきます😮
そして、自動思考と反対の事実を考えてみると、昨日話しかけたときには、いつも通り明るく返事をしてくれたことを思い出すことができ、「今日は別の友達とお話していたから、もしかしたら聞こえなかっただけかもしれない」という柔軟な考え方が導き出されました🙂
すると、当初80%あった落ち込みは30%に、60%だった悲しい気持ちは20%に下がり、安心する気持ちが40%新たに出てきましたね。

このように、そのときの気持ちを生み出している「自動思考」(考え方や受け取り方)に焦点を当てて、それは本当に正しいのか?別の捉え方をすることはできないだろうか?ということを考え、柔軟な捉え方をしていくことによって、気分や行動の改善を図るのが7コラム法です🙂

こういったワークを繰り返していると、自分の考え方のくせが見えてきます。
落ち込んでしまったときや、怒りがわいてきた際に、自分の考え方のくせが影響していないかな?と見つめ直すことができ、そうすると、起こる感情も変わり、行動も変わっていきます。

いかがでしたか??
今回は、認知行動療法の代表的なアプローチとして、7コラム法(認知再構成法)をご紹介いたしました🙂
続けていくと、自分を客観的に見つめる力がついていき、柔軟な思考ができる心の力が鍛えられ、嫌な気分に支配される機会を少なくすることができるでしょう✨
学校や企業での心の健康教育にも取り入れられ始めている、今注目が集まっているアプローチです。
保護者の方々のお困り事にも、お子さんのお困り事にも、ぜひ7コラム法を使ってみてくださいね👦👧

今回のこころコラムは以上になります!
次回もお楽しみに😊✨

参考文献
伊藤絵美 2011 「ケアする人も楽になる 認知行動療法入門BOOK1」 医学書院
野村総一郎 2016 「うつ病のことが正しくわかる本」西東社