皆さん、こんにちは☺️
今回は、10月に世界各地でディスレクシア月間が展開されていることもあり、「ディスレクシア」を取り上げたいと思います。

ディスレクシアとは
ディスレクシアとは、学習障害のひとつのタイプとされ、知的な発達には遅れはなく、聞いて理解したり、発語で伝えたりすることはできるのに、文字や文章の読み書きに限定した困難があり、そのことによって学業不振が現れたり、2次的な学校不適応などが生じる疾患です。
ディスレクシアは、
知的能力の低さや勉強不足が原因ではなく、脳機能の発達に問題があるとされています。
日本では、人口の8%程度いることが分かっており、
文字が当たり前のように使われる社会ではたくさんの障壁が存在します。

ディスレクシアの特徴
ディスレクシアでは、実際にどのような特徴があるのか、症状の例をみていきましょう。

・単語や文章を不自然なところで区切って読む
・漢字が正しく書けない
・反転して鏡文字に見える
・行や文字を飛ばして読む
・長い文が書けない
・枠からはみ出して書く

特徴の表れ方には個人差がありますが、代表的な例としてこのような特徴が挙げられます。

ディスレクシアが疑われる場合の対処法
「ディスレクシアかも…」と気になる場合は、まずは学校の先生やスクールカウンセラー、地域の教育相談窓口などに相談し、状況に応じて医療機関を受診することをおすすめします。
それを踏まえた上で、ご家庭でできるサポート、そして学校でのサポートについてご紹介します。
1. ご家庭でできるサポート
読むのが苦手なお子さんの場合、例えば「行に沿って定規や下敷きを当てながら読む」「声に出して読む」「文節に『/』などの区切りの印を入れる」「パソコンの拡大機能、拡大コピーを利用する」などが出来るかもしれません。
書くのが苦手なお子さんの場合、「マス目のあるノートに書く」「大きなスペースを使って、ていねいに書く練習をする」「一つの文字をパーツに分けて見るように促す」「写真に撮る、録音するなど書く以外の記録方法を取り入れる」などです。

自分が思っているように読むことや書くことができないことによって、自己肯定感が下がってしまうお子さんもいます。
お子さんが努力して読んだり書こうとしている時は、保護者の方がそのことに触れて、出来る範囲で褒めてあげると良いと思います。

2. 学校でのサポート
学校現場では、ディスレクシアをはじめ学習障害を正しく理解して、対応する努力が進んでいます。
「お子さんの授業での様子はどうか?」「どういった点に不安を感じているのか?」など、先生やスクールカウンセラーと話し合い、お子さんが抱えている問題に対応し、学びやすい環境を作れるようサポートをお願いするのも1つです。
ただし、学校によって出来ることは違うので、学校の状況に合わせ、専門家の意見を取り入れながら、一緒に考えていけたら良いですね。
一例ですが、「黒板が見えやすく先生の指示も受けやすい席順にしてもらう」「音読する場所を事前に練習できるようにする」「拡大コピー色つきの紙などプリントを工夫してもらう」「イラストや図を多用した教材にしてもらう」などが考えられます。
テストなども、ディスレクシアを抱えるお子さんは困難を感じることも多いので、どのような配慮が得られるのか、学校の先生と相談することも良いでしょう。

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今回は、ディスレクシアについて、またディスレクシアを抱えるお子さんへのサポートについてご紹介しました。

ディスレクシアの症状によって、自己肯定感が下がってしまったり、勉強への意欲が低下してしまう、学校へ行きたいという気持ちも削がれてしまう、そういった2次的な症状も起きやすい疾患です。
普段、お子さんの勉強している様子を見られているなかで、そういった兆候が見られたり、お子さんが悩んでいることが分かったら、どのような事に悩んでいるかを聞き、一緒に対処法を考えていけると良いですね。
今回のコラムが参考になれば幸いです☺️

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参考文献
岡島義・金井嘉宏 2020 「使う使える臨床心理学」 弘文堂
「【専門家・体験談】読み書きがニガテなディスレクシア(発達性読み書き障害)とは? おすすめの学習サポート・学校での対応|発達|ベネッセ教育情報サイト」https://benesse.jp/kosodate/hattatsu/20231122-7.html (参照 2025.10.30)

「ディスレクシア|国立成育医療研究センター」 https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/007.html(参照 2025.10.30)
「ディスレクシア月間2025‗Top」 https://alljapan-dx2025.hp.peraichi.com/top」(参照 2025.10.30)