皆さん、こんにちは☺️

今回はお子さんの行動についてのお話です💁‍♀️

お子さんの行動が、してほしくない事だったり危ない事だった場合、ついお子さんを否定するような事を言ってしまったり、強い口調で怒ったりしてしまう。
そういった事はありませんか?

時には、「いけない事」として、毅然とした態度で怒ることが必要な場合もありますよね。
しかし、注意したくなる場面であっても、お子さんの行動のなかの”注目するポイント”を変えると、肯定的なメッセージをお子さんに伝える事ができます。
そして、お子さん自身も、叱られるような事ではなく、褒められる行動をしたくなる。
今回のコラムでは、そういった好循環を生むような注目の仕方、声掛けについて、ご紹介しようと思います。

怒られるとどんな影響がある?
まず、失敗をとがめられたり、叱られると、お子さんの心にどのような感情や思考が生まれるのか、見てみましょう。
例えば、お子さんがゲームを長時間していて宿題になかなか取り組まない、といった状況があったとします。
そのような時、「いつまでだらだらゲームしてるの?」「そんなことばかりしてるから、テストで良い点数取れないんじゃないの?」といった言葉を保護者の方がお子さんにかけるとします。

すると、お子さんの心は、「僕はいつも怒られてばかりだ」と自信がなくなってしまったり、「そういえば今日学校でも先生に怒られた」「どうせ皆、僕のこと分かってくれない」といったように、周囲の人への信頼感が薄れてしまったり、怒りが生まれるなど、ネガティブな思考や感情が生じる可能性が考えられます。

特に、発達障害の特性をもつお子さんでは、特性によって周囲に叱られることが多くなり、その経験から「僕はうまくできない」といった自己不全感や、「僕だけみんなと違う」といった疎外感を感じてしまいやすいと言われています。
つまり、ただ怒られるだけで終わってしまうと、お子さんが自分自身を責めてしまったり、周囲の人への怒りや不信感を生みやすいことがうかがえます。

子どもにプラスの影響を与える周囲の工夫
では、お子さんの心理面や行動面にプラスの影響を与えるためには、どのような言葉掛けをすればいいのでしょうか。
例えば、先ほどの「ゲームを長時間していて宿題になかなか取り組まない」といったお子さんへの対応を考えてみましょう。
ここでは、「ゲームばかりする」ことや「宿題になかなか取り組まない」という否定的な注目ではなく、「ゲームを終えてから宿題に取り組もうとしている」という肯定的な側面を見逃さず、その点に対して、「ゲームを切り上げて宿題頑張るんだね」「あとで好きなお菓子食べようね」など、肯定的に注目し評価することで、お子さんは「ゲームの後に宿題をしようとしたことを褒められた」「これからもう少しだけ早く宿題に取り組もう」と思うかもしれません。

一方で、「いつまでだらだらゲームしてるの?」「そんなことばかりしてるから、テストで良い点数取れないんじゃないの?」といった否定的な注目を行うと、お子さんは「周りの人は僕の事を分かってくれない」「宿題しないでゲームばっかりしてやる」と、お子さんのその後の行動が大きく変わってくる可能性があります。

ペアレントトレーニングなどに用いられる応用行動分析学では、お子さんの行動を褒めたり、肯定的な側面に注目したり、評価することによって、お子さんの”より良い行動”が強化され、相対的に問題となる行動が減っていくと考えられています。
”出来ていない事”、”問題点”に目が向いてしまうのは当然です。
しかし、それに気づいた時、同時に、”出来ている事”、”頑張ろうとしている事” はないか?という事に注目するよう心がけてみてください。
そして、小さな事でも良いので、その事を口にして褒めてあげたり、評価してあげることが大切です。
その上で、行動がなかなか変容せず、お子さん自身も保護者の方も困っている場合は、目標となる行動を決めて、どうすればそれが実行できそうか、そのための小さなステップなどを一緒に考える時間がとれれば良いと思います。

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今回は、お子さんの行動に対して、注意したくなる場面であっても、まずは肯定的な側面に注目して伝えること、そしてそれによるお子さんへの影響や重要性についてご紹介しました。
お子さんへの声掛けや関わりに参考になれば幸いです☺️

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参考文献
岡島義・金井嘉宏 2020 「使う使える臨床心理学」 弘文堂

「今村明先生に『ADHD』を訊く|公益財団法人 日本精神神経学会」 https://www.jspn.or.jp/modules/forpublic/index.php?content_id=39(参照 2025.10.18)