皆さん、こんにちは☺️
今回のこころコラムは、「思春期の体と心」にスポットを当ててお話します。
思春期は、子どもから大人へ移行する時期であり、体、心の変化が大きく、不安定になりやすい時期です。
今回は第1回として、思春期のお子さんの心身に何が起きているのか?そして次回は「どう見守れば良いのか?」という関わり方に焦点を当てて書いていきます。
第1回目の今回は、思春期に起こる具体的な身体面、心理面の変化と、心の発達課題について解説します。
思春期の身体的変化
思春期とは、一般的に「第2次性徴」と呼ばれる体の変化が出現する、10歳前後から17、18歳頃までを言います。
この第2次性徴期には、以下の例のような体の変化がみられ、性差がはっきりしてきます。
(例:男児ではひげやのどぼとけの発現、女児では乳房の膨らみや月経の開始、体毛の発育など)
このように体が急激に変化していくため、その変化に戸惑ったり、不安を感じるなど、心の状態が不安定になりやすい時期でもあります。
この時、同じような身体的変化を経験する同年齢の友人と過ごすことは、自分の心身の変化を受け容れる大きな支えになると言われています。
また、身近な同性の大人は、将来の自分を考える手がかりになるので、同年齢の友人や、安心感を持てる周囲の大人とコミュニケーションをとることが、思春期における「第2次性徴」の受容に大切な役割を果たすでしょう。
思春期の心理的変化
思春期では、それまで両親に依存していた状態から離脱し、一人前の人間としての自我を確立しようとする心の動きがみられます。
この現象は乳児期の離乳と区別し、「心理的離乳」と言われています。
第2反抗期とも呼ばれ、「かまわれすぎるのは嫌、だけど放っておかれるのも嫌」というような親への葛藤、反抗などをともない、精神的に不安定になりやすいのが特徴です。
適度な距離を置いて見守ってもらえることや、必要な時には助言をもらえる関係、また同じ悩みを抱える友人と悩みを共有し、支え合うことを通して、少しずつ克服されていきます。
「自分探し」の時期
思春期はいわゆる「自分探し」の時期であり、子どもは、「自分はどんな人間なのか」、「自分らしさとは?」、「何をやりたいのか」、「どのように生きたら良いのか?」といったことについて真剣に向き合います。
「自分探し」の作業を経て、「自分は何者か」というアイデンティティを確立するのが、思春期の心の発達課題と言われています。
その過程では、社会が期待する役割に沿うのが難しいという葛藤を抱えたり、自分を見失ったりすることも多いです。
理想と現実を照らし合わせ、挫折で終わらずに適切な目標に変更していくことや、自分の良いと思う点も悪いと思う点も含めて「自分が大切でかけがえのない存在である」という自己肯定感を得ることが大切でしょう。
今回は、思春期の「体と心」に起きる変化や成長、そして心の中で向き合っている課題についてご紹介しました。
たくさん悩んでいるけど、見えにくくもあり、何を考えているのか分からない、どう声を掛けたら良いか分からない…。
それが思春期の難しさの1つだと感じます。
次回は、今回ご紹介した心身の変化を踏まえ、身近にいる大人の適切な関わり方や見守り方について詳しく解説する予定です。
ぜひ参考にしてくださいね😊
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参考文献
深尾憲二朗 2018 「思春期ー少年・少女の不思議のこころー」 ミネルヴァ書房
「4. 思春期危機への対応~SOSサインに気づいたら」https://www.pref.nagano.lg.jp/seishin/tosho/documents/youth_2013-sec_4.pdf (参照 2025.12.9)
「若者のこころ~思春期・青年期とは 思春期危機~SOSサイン」 https://www.pref.nagano.lg.jp/seishin/tosho/documents/youth_2013-sec_1.pdf(参照 2025.12.9)

