皆さんこんにちは😊
放課後等デイサービスあ~すり~と公認心理師の上野山です😊
今年の梅雨明けは早かったですね・・・!
毎日厳しい暑さが続いていますので、熱中症には気を付けたいですね😰
さて、今回のこころコラムでは、子どもの”不安”の問題に焦点を当てて、ご説明していきたいと思います👦👧
不安は、幼少期から見られることも少なくありません。
正しい知識をもって、適切に対応できるようにしましょう。
子どもの不安症
不安は基本的な感情の一つなので、不安を感じない人はいません。
そのため、不安を感じること自体を問題視する必要はありません🙂
ここでは、支援の対象になる不安の特徴について挙げていきます。
3つのポイント~不安の長さ、程度の強さ、日常生活への支障
①まず、不安が一時的でなく、長い時間にわたって不安を感じていることが挙げられます。
例えば、試験の前に不安を感じる、発表会の前に心配する、ということは非常にありふれたことになりますが、それがかなり前から、あるいはずっと続いている場合は問題として取り上げるべきでしょう。
②また、不安の程度が強すぎることも特徴の1つです。
発表会の前に少しドキドキすることは誰にでもありますが、緊張しすぎるために1人だけ発表会を休んでしまうということがあったら、同年代の子ども達よりも不安が強いといえます。
③最後に、不安によって日常生活に支障をきたしているという点です。
発表会がどんな場所で行われるのか、誰が見に来るのか、失敗したらどうなるのか、、、😰と何度もお母さんに聞いてしまうため、お母さんが家事をできなかったり、子ども自身も心配で勉強が手につかなかったりしたら、何らかの支援が必要といえるでしょう。
不安症の子どもに見られる特徴
子どもの不安症には、不安を感じる対象に応じてさまざまな種類があります。
分離不安症
分離不安症とは、愛着対象となる人(多くの場合は母親)から離れることに対する不安を特徴とする問題です。
親と離れないように園の前や校門で泣き叫んだりする子どもや、少しの間も一人で部屋にいられずに親の後をついて回るなどが典型的な例です。
親と離れているときに、事故に遭ってしまったのではないか、もう迎えに来てくれないのではないか、、、😰と心配することがあります。
社会不安症
社会不安症とは、対人場面や社会的な状況で不安を感じる問題です。
「人からどのように思われているのか」ということを気にしてしまい、人から注目されることが苦手なので、学校では発表、実技、スピーチ、朗読などに苦痛を感じます。
分離不安症よりは、年長の子どもたちでよく見られる問題です。
全般不安症
全般不安症とは、日常用語で言うと「心配性」と呼ばれるような子どもたちです。
学校での宿題、忘れ物、部活動、天災、病気などあらゆることを心配していて、親に「~したらどうするの?😰」と何度も確認することが特徴的です。
完璧主義である子どもも少なくありません。
こうした子どもは、ちょっとしたことでも間違うことを非常に恐れています。
その他の不安症
その他には、限局性恐怖症と呼ばれる問題も子どもによく見られます。
「虫恐怖」「高所恐怖」という言葉で表現されるように、特定の対象や状況に強い恐怖を感じる子どもです。
これらの不安症の問題は、単独で表れることは少なく、むしろ2つ以上を同時に持っていることが多くあります。
例えば、虫恐怖だけで日常生活がとても困ってしまうことは少ないかもしれませんが、同時に分離不安症や社交不安症の問題を抱えているために、とても困っているということはあり得ます。
年齢に応じて不安の対象が移り変わっていくものの、小さい頃から大きくなるまで高い不安症状が続いてしまう場合もあります。
上記にご紹介したような症状や問題があれば、一度、医療機関に相談してみましょう🏥
子どもの不安症に対する心理療法
では、こうした問題が出てきた場合、どのように対応すればよいのでしょうか?
子どもの不安症に対して、科学的に効果があると認められている心理療法は、認知行動療法であることが分かっています。
認知行動療法の中でも特に重要視されており、頻繁に用いられているのが「エクスポージャー法」です🙂
ここでは、エクスポージャー法を少しご紹介しますね☝️
エクスポージャー法は、別名「暴露療法」とも言われる心理療法で、簡単にご説明すると、不安なことに自分をあえて晒して(さらして)、その不安に晒されているうちに次第に慣れていく、という原理を利用した治療法です。
「不安に慣れていく」というのはどういうことかというと、、、
・不安は一時的に上昇するものの、時間と共に減っていく
・何度も練習していくうちに、不安の大きさが全体的に小さくなる
ということです。
エクスポージャー法では、不安や不快感の程度をSUD(Subjective Unit of Distress)という表し方をし、もっとも強い不安を100点として、不安の程度を相対的に点数化していきます。
例えば、”人前で発表すること”に強い不安を感じる子どもの場合を見てみましょう☝️
0から100へと近づいていくごとに、この子どもにとって不安が高まる場面が記載されていますね。
エクスポージャー法では、それぞれの苦手な場面や環境に実際に暴露(あるいはイメージで暴露)し、その時の不安の点数の変化をみていきます。
そのなかで、不安がずっとは続かないこと、練習していくうちに不安が小さくなっていくことを確かめていきます。
まずは取組みやすいものから、実際に暴露してみて実験すると、不安の性質が理解できるでしょう。
エクスポージャー法の他にも、認知再構成法や、リラクセーション法、心理教育など、他のアプローチも有効とされているので、受診しようとする医療機関で実施されているかどうか、事前に尋ねてみても良いと思います🙂
いかがでしたか??
今回は、子どもの不安症の特徴とその支援法について、見ていきました。
お子さんの行動や発言で気になる点があれば、今回のコラムを参考にしてもらえたらと思います✨
次回は、子どもの”うつ病”についてご紹介できたらと思っておりますので、よろしくお願いします😊
今回のこころコラムは以上です!
次回もお楽しみに😊
参考文献
岡島義・金井嘉宏 2020 「使う使える臨床心理学」 弘文堂
元住吉こころみクリニック「暴露療法(エクスポージャー)とはどういう治療法なのか」https://cocoromi-cl.jp/knowledge/other/psychological-therapy/exposure/(参照 2022.7. 2)