皆さん、こんにちは😊
新しい物事に直面した時、「どうせできないもん」「無理だよ」と諦めてしまうお子さんの姿に、チャレンジしてみたら良いのに…と思った経験はありませんか?
心理学では、「自分ならきっとできる」「この課題をやり遂げられる」と思える自信のことを「自己効力感」と呼びます。
これは、「自己肯定感」とは少し異なります。
自己肯定感は「自分の存在そのものを肯定的に受け止める感覚」でその人自身の評価に近いのに対し、自己効力感は「特定の課題をうまく遂行できる」という課題別の期待を意味します。
自己効力感を高めるための4つのポイント
社会的認知理論の提唱者である心理学者アルバート・バンデューラは、この自己効力感を高めるには「4つの情報源(ルート)」があると提唱しました。
今回は、この4つのルートをご家庭での関わり方に置き換えて、今日から実践できる具体的なアプローチをご紹介します。
ルート1:「小さな成功」を作る【達成経験】
自己効力感を高める最も強力なルートは、自分自身の力で「できた!」を経験することです。
心理学ではこれを「達成経験」と言います。
ポイントは、保護者の方が意図的に「少し頑張ればクリアできる難易度」に課題を小さくしてあげることです。
鉄棒を例にとってみると、いきなり「逆上がりの練習をしよう」はハードルが高すぎます。
「まずは鉄棒にぶら下がって5秒キープ」「次はお腹を鉄棒に近づける」といったように、ステップを細かくしてあげてくださいね。
ステップを細かくして、1つずつクリアしていく方法を、スモールステップと言います。
「目標をクリアできた」という感覚の積み重ねが、「自分はできる」という認知を生み出します。
ルート2:「等身大のモデル」を見せる【代理経験】
他人が成功している姿を見ることで、「あのようにすれば上手くいくんだ」という見通しが立ち、それが自分自身の「できる気がする!」という自己効力感につながります。
これを「代理経験」と言います。
ここでのポイントは、手本となる対象が「子どもにとって身近で、自分と似たレベルであること」です。
自分とかけ離れた天才やプロの姿を見ても、「あの人は特別だから」と諦めてしまい、自己効力感は高まりにくいです。
「お姉ちゃんも、最初はあなたと同じように苦戦していたよ」
「お友達の〇〇ちゃんも、練習してできるようになったんだって」など、子どもと条件の近い「等身大のモデル」の努力の過程を見せてあげることが、心理的なハードルを下げます。
ルート3:「客観的な事実」をもとに励ます【言語的説得】
周囲の信頼できる人から「あなたならできる」と言葉で励まされるルートのことです。
ただし、根拠のない「あなたなら天才だから大丈夫!」といった言葉は、子どもにプレッシャーを与えたり、失敗したときに「嘘だったんだ」と不信感に繋がったりする可能性があります。
励ますときは、「先週より漢字を3つも多く覚えられたんだから、今回のテストも大丈夫だよ」「昨日あんなに練習したのを、お母さんは見ているよ」など、本人も納得できる事実をベースに伝えることで、お子さんに伝わる度合いが何倍にも増すはずです。
ルート4:「身体の反応」の解釈を変える【生理的・情動的状態】
緊張して手汗をかいたり、心臓がドキドキしたりするとき、子どもは「怖い、できないかもしれない」とネガティブな思い込みを持ちやすくなります。
緊張している子どもに対して、「緊張しちゃダメ」と否定するのは逆効果になる可能性があります。
「ドキドキするのは、身体が『よし、頑張るぞ!』と準備を始めている証拠だよ」「お父さんも今でも発表の前はドキドキするよ」など、身体の反応を「恐怖」ではなく「エネルギーが湧いている状態」へと解釈を変えてあげることで、不安を行動の原動力に変えることができます。
結果ではなく「プロセス」を実況中継してあげよう
自己効力感を育てる上で、私たち大人が最も陥りやすいのは、「成功(できた時)だけを褒める」ことです。
結果だけを評価されると、子どもは「失敗=自分には能力がない」と学習してしまい、挑戦することを恐れるようになります。
そこでおすすめしたいのは、親御さんが「子どものプロセスを実況中継してあげる」ことです。
「今回は惜しかったね。でも、前よりも惜しいところまでいけたね」 「失敗しちゃったけど、諦めずに別の方法を試したのはすごいことだよ」
たとえ結果が失敗であっても、そのプロセスにある工夫や粘り強さを保護者の方が言葉にしてフィードバックしてあげます。
それによって子どもは、「失敗は能力の不足ではなく、やり方を変えれば次はできるかもしれない」と捉えられるようになります。
これこそが、失敗も味方につける「自己効力感(自分ならできるという自信)」です。
子どもの「やってみよう」という気持ちを力強く動かすのは、「成功した結果」だけではありません。
親御さんがプロセスに寄り添い、「あなたなら大丈夫だよ」と声をかけてくれることが、何よりのエネルギーになります☺️
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参考文献
藤村宣之(編) 2018 「発達心理学【第2版】:周りの世界とかかわりながら人はいかに育つか(いちばんはじめに読む心理学の本3)」 ミネルヴァ書房
バンデューラ自己効力感を高める4つの要素とは?研修・OJTで実践 株式会社HEART QUAKE https://heart-quake.com/article.php?p=6034 (参照 2026.5.25)

