皆さん、こんにちは☺️
今回は、朝起きるのが辛かったり、不登校の背景にあることも多い「起立性調節障害(OD:Orthostatic Dysregulation)」についてご紹介します。
起立性調節障害(OD)とは?
ODは、自律神経の働きが乱れることで、立ち上がった時に脳への血流が維持できなくなる身体的な疾患です。
思春期に多く見られ、本人の「やる気」や「怠け」の問題ではありません。
もしお子さんが朝なかなか起きられず、午前中ずっとだるそうにしている場合、このODが隠れている可能性があります。
ODの症状
ODは、症状は午前中に強く、午後からは体調が回復すると言われており、症状としては、寝起き不良などの起立失調症状、食欲不振、全身倦怠感、頭痛、立っていると気分が悪くなる、立ちくらみなどが起きます。
ODでは自律神経機能が悪いために、起立時に全身への血流が悪くなり、その結果、さまざまな症状が出ると考えられています。
特に脳血流が悪いと、立ちくらみ、ふらふら、倦怠感だけでなく、思考力や判断力が低下したり、イライラがひどくなったりします。
主な症状
ODの大きな特徴は、「午前中に症状が強く、午後から回復する」という日内変動があることです。
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朝の症状: 寝起き不良、立ちくらみ、倦怠感、食欲不振
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日中の症状: 動悸、息切れ、思考力や判断力の低下、イライラ
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特徴: 立っていると気分が悪くなるが、横になると楽になる
自律神経がうまく機能しないため、本来なら立ち上がった瞬間に収縮すべき血管が緩んだままになり、重力で血液が下半身に溜まってしまいます。
その結果、脳に必要な酸素や栄養が届きにくくなるのです。
不登校との深い関係
文部科学省のデータによると、不登校の状態にある子どものうち、約30〜40%にODが併存しているという報告があります。
不登校のきっかけが友人関係や学業のストレスであることもありますが、身体のベースにODがあることで「学校に行きたいのに行けない」という悪循環に陥っているケースも少なくありません。
まずはこの「身体のしんどさ」に気づいてあげることが、サポートの第一歩です。
ODの治療とに日常生活の工夫
ODの治療と日常生活の工夫基本的には生活習慣の改善をベースに進めていきます。
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非薬物療法(日常生活):
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水分と塩分の摂取: 血流量を増やすために意識的に摂ります。
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運動: 15分程度の散歩など、無理のない範囲でふくらはぎの筋肉を鍛えます。
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立ち方の工夫: 急に立ち上がらない、静止して立ち続けない(足踏みをするなど)。
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補助器具・薬物療法:
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加圧式腹部バンドや圧迫ソックス(メディカルソックス)で下半身の血流を押し上げる。
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症状に応じて、昇圧剤などの投薬を行うこともあります。
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受診先は、中学生以下なら小児科、高校生以上や大人の場合は循環器内科、神経内科、または心療内科が適しています。
心へのアプローチ
ODは身体疾患ですが、精神的なストレスが症状を悪化させるという側面もあります。
「学校に行かなければ」というプレッシャーが自律神経をさらに乱してしまうと考えられます。
身体的な治療と並行して、心の負担を軽くするためのカウンセリングや環境調整についても、医師と相談してみるのが良いでしょう。
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今回は、起立性調節障害についてお話しました。
あまり聞きなれない病気かもしれませんが、正しく理解しておくとお子さんに兆候が見られた時に落ち着いて対応することができます。
朝起きにくい、身体がだるそう、そういった症状が続く場合は、症状をよく観察し、病院に相談してみてくださいね。
今回のコラムが少しでも皆さんの参考になると幸いです☺️
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参考文献
日本小児心身医学会(編) 2009 「小児心身医学会ガイドライン集」 南江堂
「起立性調節障害から『不登校』になることはある?」https://odod.or.jp/kiritsusei-kodomood-802/ (参照 2026.3.21)

