皆さん、こんにちは😊

子育てをされるなかで、お子さんの反応にどう応じるべきか苦慮された経験は、どなたにもあるのではないでしょうか。
そこで今回のコラムでは、親子関係をより豊かにするための指針として、心理学的な視点から「情緒的応答性」の大切さについてお伝えしたいと思います。

情緒的応答性って何?
心理学では、親子のやり取りの質を「情緒的応答性」と呼びます。
簡単に言うと、「心のキャッチボール」であり、子どもが発した感情のサインを親がしっかりキャッチし、相手が受け取りやすい形で投げ返す。
この一連の流れが、子どもの安心感や自己肯定感の土台を作っていきます。

情緒的応答性を構成する3つの柱
このキャッチボールをスムーズにするために、大切にしたい3つのポイントがあります。

1. 感受性:気づく力
言葉にならない小さなサインに気づく「心のアンテナ」です。
「なんだか今日は元気がなさそうだな」「目が泳いでいるな」という、わずかな変化をキャッチすることなどが挙げられます。

2. 適切性:合わせる力
受取ったボールを、お子さんの今の気持ちに「ちょうどいい温度と強さ」で返すことです。
悲しい時には一緒に悲しみ、嬉しい時には一緒に喜ぶ。
相手の感情の大きさに、こちらの反応を合わせる作業です。

3. 即時性:今、応える力
「あとで」ではなく、できるだけその瞬間に反応することです。
特に小さなお子さんの場合、自分の発信に対してすぐに反応が返ってくることで、「自分の声は届いているんだ」という人への信頼感や、「自分は影響力がある存在だ」という自己効力感が育ちます。

なぜこれが重要なのか?
母親(養育者の方)との間でこの応答性が繰り返されると、子どもの心には「内的作業モデル」というものが形作られます。
内的作業モデルとは、「自分が困ったとき、誰かが必ず助けてくれる」「自分は愛される価値がある」という、世界に対する信頼感のひな形のことです。
これがしっかり出来上がると、子どもは母親(養育者の方)を「安全基地」として、外の世界へ冒険に出かけることができるようになります。

日常で生かせる具体例
例えば、お子さんがこれまで出来なかったことが「出来た!」と言ってきた場面を想像してみてください。
・感受性:お子さんの誇らしげな表情に気づく。
・適切性:「出来るようになったんだね!頑張ったね」と、お子さんの達成感と同じくらいの熱量で喜ぶ。
・即時性:他の作業をしていても、まずはパッと顔を向けて「わぁ、すごい!」と声をかける。

心掛けたいこと
「完璧に応じないと」と思う必要はありません。
お伝えしたいのは、「100%の正解よりも、向き合おうとする姿勢」が大切ということです。
・「実況中継」から始めてみる
どう応じればいいか迷ったら、お子さんの様子をそのまま言葉にしてみてください。
「悲しかったんだね」「これが欲しかったんだね」。
それだけで、お子さんは「分かってもらえた」と感じ、情緒的応答性が成立します。

・自分自身の余裕を大切に
親御さん自身の心がカラカラでは、応答ができません。
上手く応じられなかった時は、「今は疲れているんだな」とご自身を労わってください。
落ち着いてから「さっきはごめんね」と伝えれば、キャッチボールはいつでも再開できます。

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今回は、親子間の情緒的応答性についてお話しました。
子育てをされる保護者の方ご自身のケアも大切にしながら、お子さんへの接し方で迷った時に参考にしてもらえると幸いです😊
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参考文献
無藤隆・岡本祐子・大坪治彦(編) 2009 「よくわかる発達心理学【第2版】」 ミネルヴァ書房