皆さんこんにちは😊
放課後等デイサービスあ~すり~と公認心理師の上野山です😊
体調を崩しやすい梅雨の時期に入りましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか??
さて、今回のこころコラムでは、前回ご紹介したマインドフルネスの実践編ということで、
皆さんが日常の中で簡単に実践できる方法をご紹介したいと思います🙂
マインドフルネスのトレーニングは、「今この瞬間を感じ取る力」を鍛えることに繋がります。
普段、忙しい日常を過ごしていると、考えることばかりに頭を使ってしまい、
今、自分はどんな感触を味わっているのか?などの自分の感覚に目を向けることが少なくなってしまいます。
このトレーニングを通して、ご自身が今感じている「感覚」に注意を向けて、味わうことで、日常をより豊かに感じられるような心を育てていきましょう😊
マインドフルネスのワークで有名なものに「レーズン・エクササイズ」があります。
レーズンを触る、噛む、食べる、にまつわるあらゆる感覚をマインドフルに味わう、というエクササイズです。
レーズンがなければ、あめ、ガム、コーヒーなど、なんでも大丈夫です。
なるべく凹凸や香りがある食べ物のほうが良いかと思います。
毎日の食事の中でも実践することができるので、ぜひ今からご紹介する手順に沿って試してみてくださいね😊
レーズンエクササイズの目的と効果
エクササイズの前に、レーズンエクササイズの目的と効果について知っておいてもらいたいので、ご紹介します☝️
目的
「食べる」という行動にしっかり意識を向けることで、マインドフルネスの力を高める方法です。
普段何気なく行っている「食べる」という行動の中にある味、舌触り、匂いなどを丁寧に確認しながら、「今」に意識を向け、集中力を高めていきます。
効果
レーズンエクササイズは、ネガティブな気持ちをプラスにする効果があることが分かっています。
レーズンエクササイズが抑うつ気分に与える影響を調査した研究では、抑うつ気分が高い群の肯定的気分が、抑うつ気分が低い群の肯定的気分と同じくらいまで高まるという結果が得られています。
レーズンエクササイズによって、落ち込みが改善されたり、不安の反すう(繰り返し考え続けてしまうこと)が小さくなったりして、ストレスが和らぎ、肯定的な気分が高まると考えられます。
レーズンエクササイズの手順
レーズンエクササイズでは、食べ物を丁寧に観察しながら今の感覚を味わっていきます。
以下に、手順を一つずつご紹介していきます。
①食べ物を用意する
食べ物は、レーズン1粒でOKです。レーズンがなければ、あめ、ガム、コーヒーなど、好きなものを用意してください。
なるべく凹凸や香りがある食べ物をおすすめします。
②指で挟み観察
レーズンを親指と人差し指で挟み、観察をします。
食べ物は、重い?それとも軽い?
触感はどうですか?固い、柔らかい?
弾力や表面の形、レーズンの凹凸など、いろいろな角度からゆっくり見ていきます。
③手のひらで観察
手のひらに置いて表面の様子を観察します。
ざらざら?くすっぐたい?
転がしながら動きも見てみましょう。
④香りを観察
レーズンを鼻に近づけたり離したりしながら、香りの強さや特徴を観察します。
鼻に伝わってくる感覚はどんな感じですか?
⑤口に含み観察
レーズンを口に含み、舌の上で転がしながら風味や表面の状態を観察します。
ざらざら?ころころ?
⑥嚙んだ感覚を観察
ゆっくりと噛みながら、風味や味が口の中で広がる感覚や、味の変化を観察します。
噛むごとに、味わいは変化していきますか?
⑦飲み込む感覚を観察
ゆっくりと飲み込みながら、のどから食道、そして胃に移動する感覚をじっくり味わっていきます。
のどに伝わってくる感覚、胃に入っていく感覚を言葉で表すとどんな感覚ですか?
手順のように、食べ物の色や形、口に入れた感覚など、ひとつひとつの動作をしっかりと感じていく事が大切です。
今回は食べ物のマインドフルネスとして、レーズンエクササイズをご紹介しました。
梅雨の時期なので、雨の音をマインドフルに味わうのもいいですね🙂
マインドフルネスは、「今この瞬間」における気づきを大切にします。
こういったエクササイズに慣れてくると、食べ物以外でも、「今この瞬間を感じ取る力」「自分自身の感覚を観察する力」を増やすことができます。
マインドフルネスによって様々なことを感じ取る力、観察する力を高め、物事や自分自身を客観視したり、俯瞰できる力を育てていきましょう😊
今回のこころコラムは以上になります。
次回もお楽しみに✨
参考文献
伊藤絵美 2016 「ケアする人も楽しくなる マインドフルネス&スキーマ療法 BOOK1」 医学書院
心理療法専門解説サイト 「マインドフルネス療法,レーズンエクササイズ」https://www.direct-commu.com/shinri/mindfulness/mindfulness5/(参照 2022.6.16)